
図:取穴法(針灸経穴辞典・李丁・山西中医学院針灸科より引用)
まず、当室で行なっている坐骨神経痛治療は、弊院院長が天津中医学院付属医院、中医研究院付属針灸医院、中国政府直轄北京医院に留学したとき、体質、あるいは費用の面で各種神経ブロックなどの麻酔治療ができない、あるいは無効例を示す患者に特殊鍼法として汎用している当該方法に非常に着目し、習熟後、帰国したのちに日本国内において実施しているきわめて画期的な神経痛中国鍼治療のひとつである。第1法から第5法まであり、研修生に仕込んでも患者の見立てを含め、取得まで数年はかかる。
ある一定の手技操作にて実施するものである。(詳細についてはサイト上では割愛する)
なお、有効例については非常に膨大な数があつまっておりすでに当院では20000症例まであるので参考にされたい。
上海中医薬大学付属曙光医院、および龍華医院に留学したとき、現地の医者に確認したところ汎用はされていないようだ。
本場中国でも流派はいろいろあり、医者によっても方法は異なる。
その顕著な治療効果につき、当院では臨床データを日々積み重ねている。また東洋医術の本場・北京天津の鍼灸医師でも1.2回の鍼の刺入では至難の業という。
方法的にはペインクリニックなどの坐骨神経ブロックに似てはいるが、鍼の細さ、安全性、麻酔薬不使用の点からも患者に苦痛を与えず、無痛で施術を行うことができる。。
また痛みを劇的に取り去るだけで別段神経そのものを麻痺させる麻酔療法とは大きく異なる。治療名に麻酔という言葉をもちいていないのも意味がある。他の神経ブロック療法のように運動神経や知覚神経そのものを一時的に麻痺させ痛みを遮断するものとは違い、痛みのみが消失する優れた方法である。もちろん、本来の麻酔とは異なるので治療直後はあなたの足は動くことが確認できるであろう。
治療においては非常に熟練された高度技術が要求されよう。また、また太さ0・18ミリの極細鍼を用いて治療するので無痛で終わるのも特徴である。また薬物を一切使用しないのも優れたたところであるし、神経ブロックなどで無効例でも劇的に奏効することがままある点も見逃せない。患者への体の負担はほとんどない。
専門的に腰痛・坐骨神経痛を診察しているからわかるのだが、書店などに氾濫する数ある鍼の技法を散々追試してみたものの治療直後ダイナミックに改善することがほとんどなかったし、中には腰部の炎症を逆に強めてしまうものもあり治療そのものがまったく行き詰まっていた。専門的な良書すらなく、ほんとうに層が薄いというか情けなくなるばかりだ。
なお、神経根の圧迫を解除するため、これも独自の理学療法にて治療している。
私の臨床経験として、椎間板ヘルニアと診断された坐骨神経痛患者はどのような状態において、症状を自覚するかというと患者個々で訴えることが大きく異なる。大体次のパターンにわかれよう。
@早朝起床時および明け方
A歩行時
B座位でのみ(つまり座っていられない、立っていたほうが楽)
C立位で徐々に(電車のつり革につかまってたっていると徐々に)
D座位から立位などへ姿勢変化を伴うときに臀部から下肢へズキズキと瞬間的にくる
E寝返りをするときに
脊柱管狭窄症にあっては
@歩行すると臀部もそうだが、陰部や肛門周辺からやがて下肢へ痺れがくる(これは馬尾型)
A夜間痛はあまりない
B歩くと三里の方面に神経痛がきやすい
C大腿部の前側が痛いという症例もある
D腰は痛くないことが多い。
E患者によっては足の真裏にいやな違和感(砂利を踏んでいるよう)
脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアでは、症状の出方が少し異なる。
などなど一口に坐骨神経痛といっても症状の出方は個々人で大きく異なる点が興味深い。
中国鍼治療にて、なにゆえにこれほどまでに感覚が戻って痺れが治ったのか、ほぼ鍼灸界の常識を覆すような、神経機能回復機序があるものと思料する。